アップデートした「カルティエ」の名作を着けて

道をつくる男たちが思う“時”

The Santos Man Special Contents #1

OCEANS

飛行家、アルベルト=サントス・デュモンのために、飛行中に時刻を確認できるようルイ・カルティエが腕に装着できる時計を作った。
1904年、世界初となる腕時計の誕生だ。それは「サントス ドゥ カルティエ」と名付けられた。そして、2018年。
「サントス ドゥ カルティエ」は新しい顔を纏った。冒険的で独創的、不可能を可能にする男に似合うべく。そう、この3人の男たちのような……。

清水将之(mili)=写真 菊池陽之介=スタイリング AMANO=ヘアメイク 髙村将司=文

Morgan Collett

時計はオンとオフを切り替える装置だね

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「腕時計はオンとオフを切り替えるスイッチ」と開口一番。モーガン・コレットは、サタデーズ ニューヨークシティのファウンダーだ。サーフィンに行くときやリラックスしたい休日には腕時計を着けないが、都会で精力的に活動する際には不可欠なのだとか。“サタデーズ”はサーフカルチャーとメトロポリタンライフを融合するブランド。
その成功は誰もが知るところで、多くのフォロワーを生んだ。「誰も見たことがないブランドを作ったのは人生の冒険でした。理想だけを頼りに店を開けて、一緒に立ち上げた仲間とさあどうするって(笑)。彼らがいたからできたことですね」。ルイ・カルティエと飛行家、アルベルト=サントス・デュモン。2人の友情と情熱によって生まれた“サントス”を思わせる誕生の物語。歴史の長さこそ違えど、その後のサクセスストーリーにも共通するものを感じる。「今は生まれたばかりの娘との時間が至福。でも、時計を外せるときはまだ、多くないですけどね(笑)」。

「祖父から受け継いだ時計もそうだからか、角型の時計が好きなんです」。手軽に着脱できるレザーストラップを装備したサントスのピンクゴールドが、鍛え上げられたモーガンの腕元でさりげなく輝く。あくまでカジュアルな付き合いができることが時計選びの条件。この日のような装いにもマッチするサントスは申し分ない相棒だ。K18PGケース、縦41.9×横35.1mm、自動巻き。195万円/カルティエ

モーガン・コレット
モーガン・コレット
サタデーズ ニューヨークシティ ファウンダー
NYを拠点に、サーフカルチャーと都会生活を融合したブランドを、ほか2人の共同ファウンダー(現在はうち1人が脱退)と2009年に設立。現在の人気獲得に貢献した立役者。最近は、1歳になる娘と遊んでリラックスしているそう。

Morgan Collett

時間をゆったり捉えることも
大事だと思うんです

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ブックディレクターという職業をご存じか。簡単に言えば、病院や文化施設、企業の図書コーナーなどに選書をする仕事だ。幅允孝は、その第一人者と言っていい。「この商習慣がほかにない中で始めたので、すべてが手探り。あの時代と同じことを二度はできないです(笑)」。丸型の懐中時計が主流にあるなか、斬新な角形の腕に着ける時計として生まれたサントスは、存在しない道を拓いてきた幅に重なる。そして、丁寧な仕事ゆえにその後ろに道が続く点も。「利用を想定される人たちに入念なインタビューを重ねるのが僕のやり方。誰にでもあまねく受け入れられる選書は不可能ですから。一対一の対話からピンポイントにセレクト。それが広く受ければなお良し」。泰然とした価値観は、時間の捉え方にも通ずる。「読書とは、いつ芽が出るかわからない種まきのようなもの。何事も効率が求められる世の中で、のんびり楽しむことをもっと肯定してもいいですよね」。タイムレスな美を持つサントスが刻む、悠久の時とシンクロするように語った。

小ぶりな時計が好きで、「タンク ディヴァン」も愛用する幅の腕元には、MMサイズのステンレススチールの1本が。「ブレスにつながるようなベゼルのデザインや角形ダイヤルにおけるインデックス配置が面白い」とは、細部を見逃さない彼らしい目のつけどころ。モノトーンのソリッドな装いにもよく似合う。SSケース、縦41.9×横35.1mm、自動巻き。67万2500円/カルティエ

幅 允孝
幅 允孝
ブックディレクター
日本初の"セレクト本屋"であるツタヤ トウキョウ ロッポンギの選書を成功させたことをきっかけに今の職業に。2005年に自身の会社、バッハを設立。直近では、神戸アイセンター・ヴィジョンパークで視覚障害者に向けた選書を手掛け、話題に。

Morgan Collett

サントスに感じる、真のチャレンジ精神

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平山祐介は、モデルだけでなく俳優としても多忙だ。周囲のスタッフに“ストイック”と評される彼が表現するものは? 「モデルとしても役者としても、カメラの前に立てば自ずと内面から滲み出るもの、それが個性だと思います。かつてマイケル・ジョーダンがスーツを着ているのを見たとき、モデルにはない圧倒的な格好良さを感じました。それは、日々磨いてきた己が滲み出た結果。内面の成熟が大切だと強く意識しました」。格闘技好きと自己研鑽から始めた空手は黒帯だ。「獲得まで10年。何事も成し遂げるのには時間が必要です。モデルもバイトしながらだったり、役者もモデルでの貯金を崩した時期もあったり、決して平坦ではなかった。新しい世界に飛び込むことももちろんですが、真のチャレンジとは、それを継続することだと思うんです」。内面を熟成させた男の腕には、定番という枠組みに安住せずにアップデートを続けるサントスが。彼にとってこれは、チャレンジをやめない“挑戦者の証し”といえるのかもしれない。

時計好きを自任する祐介が、「結婚記念のペアウォッチに検討中」というモデル。「カーブするケースが腕にフィットして邪魔にならない。挑戦する時を刻む人生のいい相棒になりそう」。彼がこの日着けたのは、イエローゴールドとステンレススチールのコンビモデル。大ぶりなLMサイズがエレガントなインパクトを与える。K18YG×SSケース、縦47.5×横39.8㎜、自動巻き。112万円/カルティエ

平山祐介
平山祐介
俳優・モデル
コンピューター会社から脱サラしてファッションモデルに。ジョルジオ・アルマーニほか、多くのコレクションブランドのランウェイに立つトップモデルとなる。2001年、フランス映画『SAMOURAIS』への出演を機に俳優デビュー。今はモデルと兼業し、双方での経験を活かして活躍している。